次の勉強会は舘岡洋子先生、古屋憲章先生をはじめとした「日本語教師の専門性を考える研究会(NKS研究会)」の先生方にワークショップを開催していただくことになりました。参加希望の方は犬山までメールでご連絡ください( inuyama360@gmail.com )。Zoomを使用します。ワークショップという性質上、今回はカメラをオンにした状態(顔出し)での参加をお願いしています。以下は古屋先生からのメッセージです。(犬山)
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日本語教師としての自身の経験をふりかえる―日本語教師の「専門性の三位一体モデル」を使ったワークショップ―
ファシリテーター:日本語教師の専門性を考える研究会(NKS研究会)のみなさん :舘岡洋子、伊藤茉莉奈、小畑美奈恵、加納雅美、岸根彩子、木村かおり、小林北洋、竹内雪乃、寺浦久仁香、仁野玲菜、藤原恵美、古屋憲章
日時:2021年8月21日(土曜日)台湾時間午後8時(日本時間午後9時)から 120分の予定
Zoomによるオンライン開催 定員:30名(先着順)
今回の勉強会では、NKS研究会のみなさんをファシリテーターとしてお招きし、参加者のみなさんが自身の日本語教師としての経験(自身が日本語教師としてやってきた仕事)をふりかえるワークショップを行います。
本ワークショップでは、自身の日本語教師としての経験をふりかえるためのツールとして日本語教師の「専門性の三位一体モデル」(図1)を使用します。
「専門性の三位一体モデル」は次の三つの要素で構成されます。
【理念】どのような日本語教育を実現しようとしているのか、といったその人の日本語教育のとらえ方。その人のもつ言語観や教育観が反映されたもの。
【方法】実際に教室などで展開する教育の方法。教室内の授業のやり方にとどまらず、教室がおかれている枠組みを問い直し必要に応じて制度等を変更することも方法に含まれる。
【フィールド】日本語教育実践の場であり、学習者たちやことばの教室や教室が置かれている環境。
本ワークショップでは、上述した理念、方法、フィールドという三つの要素にもとづいて、自身の日本語教師としての経験をふりかえっていただきます。具体的には、次のような手順でワークショップを進めます。
1)ワークショップの目的、および日本語教師の「専門性の三位一体モデル」に関する説明
ファシリテーターから本ワークショップの目的、および日本語教師の「専門性の三位一体モデル」に関し、説明する。
2)理念、方法、フィールドの記述
参加者各自が次の観点で自身の日本語教師としての経験をふりかえり、記述する。
フィールド:日本語教師をしていて「グッと来た経験」(よかった経験)、「ゲッとなった経験」(悪かった経験)、およびそれらの経験からわかる自分がしたかったこと/したくなかったこと
方法:上述した経験をしたときに自分が用いていた方法
理念:上述した経験からわかる自身の理念(一番大切にしていたこと)
3)グループディスカッション
グループ(3~4名)で2)で記述した内容にもとづき、自身の日本語教師としての経験を語る。語りに対し、お互いに質問し合うことにより、自身の経験や他の教師の経験への理解を深める。
4)ワークショップのふりかえり
全体で本ワークショップを経験してみての感想を述べ合う。
本ワークショップが、自らの経験をふりかえることをとおし、日本語教師としての自身をより深く理解する機会になればと思います。また、その際、「専門性の三位一体モデル」を媒介することにより、現場で日本語教師としてどのような役割を担うか、どのようにすれば自分がめざす日本語教育が具現化できるか、日本語教師としてどのような社会を目指すか等、より本質的な問いに関し、対話する場となることも期待されます。
参加希望の方は、犬山先生までメール、TwitterのDM、Facebook Messenger、その他でご連絡ください。
当日はできるだけ語り合いの時間を多く設けることにより、お互いの日本語教師としての経験を共有できる場にしたいと思っています。みなさんのご参加をお待ちしております。 (古屋憲章 )
【参考資料】
舘岡洋子編(2021)『日本語教師の専門性を考える』ココ出版 https://cocopb.com/books/978-4-86676-033-9/
舘岡洋子(2019)「「日本語教師の専門性」を考える―「専門性の三位一体モデル」の提案と活用―」『早稲田日本語教育学』26,pp.167-177. http://hdl.handle.net/2065/00062888